アプリコットな日々

気長にブログ始めてます。

千字文

ちょっと堅苦しく感じられるかもしれませんが、悪しからずよろしくお願いいたします。

教養などとおこがましい限りですが、日々精神に涵養すべく、努めております。厭になることも実際あるかと思いますが、皆、それぞれいろんな意味で戦っているのだなと思いが及びますと、負けてはなるまいと今日も一日、走り抜けるぞとの心境でスタートしています。

 

さて、皆さんは、千字文(せんじもん)という番号の代わりとしても使われる文字群をご存知ですか?正確には、

”重複のない漢字一千字を四言詩二百五十句で構成され、書道を学ぶもの、または、文字の教科書として、日本でも広く利用されてきた。”

 

ご察しの通り、中国のもので、南朝の梁(りょう)の周興嗣(しゅうこうし)が作ったものということです。

千字文ですが、『中世の書物と学問』という日本リブレットシリーズの一冊で、その中の項目「書を集める」のところで知りました。この本も大変面白く、また、注釈も邪魔にならなくて、読みやすいものでした。文字も単行本くらいのサイズで、ページ数も100ページ余りです。お薦めです。中世の人は(本を集められるような身分の人に限られますが)、書庫を持っていて、分類、所有していたんですね。そういったことがコンパクトに纏めららた本です。

 

ということで、千字文に興味をひかれ、2冊、千字文の本を入手することとなりました。写経用紙に筆ペンで細字の練習も兼ねて、夜、落ち着いた時、そんな気になった時に、意味も解釈しながら、書取りをしています。まだ、始めたばかりですが、二百五十句、まずは書き取ってみたいと思っています。旧字体なので、字だけみると、覚えられるかな?と思いましたが、書いてみると納得できて、すっきりです。

中国の天文の知識、世界観、自然観、そういったものが、四字で韻を持って組み合わされており、聖書の創世記にも劣らず、素晴らしく感じます。

本書の解説から、本書の趣旨を述べたところを引用したいと思います。

千字文という書物の言葉を一つの手がかりとして、中国の古典、あるいはその背後にある歴史などについて、広い知識を持っていただけるようにと、その言葉に関連することがら、エピソードについて、制約された字数の中で、できうる限り多く記した。ここに本書の特徴があると言える。我が国の精神文化の大きな一面を担ってきた中国の古典や歴史に対する知識の貧困化、あるいは漢字・漢文ばなれがしばしば語れれる今日である。千字文を読むことを通して、忘れられようとする中国古典や歴史への関心を多くの人に持っていただきたい、言い換えると、千字文を書道のお手本としてだけではなく、一つの読み物として見直してみる、これが本書を執筆した最大の動機である。

本書を補う意味で、合わせて入手したのがこちら。

始めの本(『千字文を読み解く』)が、読み下しで書かれてあって、四字熟語のように順に読んだ場合、わからなかったりするのを補えたところもよかったです。

 

日本にも、いろは歌、というものがありますね。

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそつねならむ ういのおくやまけふこえて あさきゆめみしえひもせす京

日本人には、元来歌心があるんでしょうね。この辺りがまた心ゆかしいですね。