あっという間に9月も過ぎ10月になりました。季節もやもやしたまま、ひと月が過ぎたような感じでしたが、皆さんはいかがでしたでしょうか?
今、社会保障についての本を消化中なのですが、社会保障といえば、今月から最低賃金が変更になり、それに伴い年収の壁問題が発生するとのことで、政府の対応策として、一人当たり50万円を事業主に助成する、といった措置が取られるそうですが、2年間という時限的措置で、上辺だけ取り繕っただけであり、これを機にでも、社会保障について根本的な議論、解決策が練られることが必要だと関心を深めているところです。
今、手元に社会保障関連の本が3冊あり、その内1冊は、まず一回読み終え、2冊目を半分のところまで読んでいるところなのですが、3冊全てを読んでみてから、改めて考えなどを提示できればといいな思っております。
1冊目もとても良い本だったので、ここにご紹介を。入門編としてお薦めできるかと思います。
これ1冊を読みますと、予備知識ができますので次の本が読みやすくなりました。お役に立てれば幸いです。
今読んでいるのは、日本の社会保障システム: 理念とデザイン
この本は、日本国憲法の理念をベースに、社会保障について網羅的に検討、説明がなされています。実際の統計が示され、検討・説明がなされています。初版が2017年の9月ですので、その分の制度について遅れている部分もありますが、ほぼ制度を理解する上で有益だと思います。内容は、目次から拾うと、
第一章 日本の社会保障システムの理念
第二章 年金システム
第三章 医療保障システム
第四章 介護保険と高齢者福祉ー財政調整と財政資金の投入
第五章 社会福祉システム
終章 21世紀の福祉国家のグローバル展開
となっております。
あと1冊、まだ未読ですが、これまでの理解を深めた上で最後に読むに相応しい感じがします。
本書籍の帯には、”年金を改革し介護保険をつくった異能の元厚労官僚による憂国の書、書き下ろし!” との見出しがついています。
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今盛んに取り上げられている年収の壁問題。一見すると、だったら年収の上限を損しないところまで上げればいいじゃないか、とも思いますが、恐らく話はそう簡単にはいきません。人口の高齢化で、保険料の収入が減ることで、これまでの前提が崩れてきている、待ったなしといったところ。国庫の負担は増し、増税もやむ無しです。税は全ての国民にとっての関心事。増税増税と揶揄されてますが、小手先の議論に終始している余裕もなさそうです。社会保障という基本的人権に関わる必要最低限のこの優れたシステムを失わないためにも、よく理解しておいた方がいいと思う次第です。